単なる夏バテ?肝臓は大丈夫?

2025.09.24

皆さん、ご無沙汰しています。

今年の夏は、ほんとにとっても暑かったですね。

でもようやく朝夕が涼しくなってまいりました。

朝晩が、秋めいてきましたが、皆さん、夏の疲労が残っていませんか?

本日は、夏バテかな?なんだか体がだるいといった症状が、

実は肝臓の不調によるものかもしれないという、お話をします。

肝臓は沈黙の臓器と言われ、あまり症状の出ない臓器と言われますが、

疲れやすい、寝ても疲れが取れない、だるいなどの体の不調の原因が、肝臓からくる場合があるんです。

本日は、肝臓のお話です。

① 脂肪肝

肝臓の病気というと、たくさんありますが、脂肪肝と聞くと、病気というイメージは皆さんあまりないじゃなかと思います。

『検診で脂肪肝といわれちゃって・・・』なんて、よく耳にする会話です。

病気といったニュアンスよりも、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、といった生活習慣の別名のような使い方をされていますね。

確かに、脂肪肝はそれ自身では病名というよりも、肝臓の『状態』を表す言葉です。

特に、お腹の超音波検査で、肝臓に脂肪が貯まっているか分かりますので、超音波検査を受けた方は、その際に診断されことがあると思います。

確かに脂肪肝は病名というより、超音波で脂肪が待っていますよ。という『状態』を言っています。

脂肪肝と言われると、生活習慣の改善は必要だと感じるけれど、病気というイメージがないのが、脂肪肝なのです。

②脂肪肝に注意が必要な人は

脂肪肝という言葉が広く使われて、病気というイメージよりも、生活習慣を表す言葉として使われていますが、

その中でも特に注意が必要な人がいます。

それは、採血でも異常が出ている人です。

採血で、AST ・ALTという肝臓の数値が上がっている場合です。

採血では、肝臓の働きや、肝臓の障害(ダメージ)を見る項目は、いろいろありますが、AST・ALTについてお話します。

この2つは、肝臓のダメージを表す数値です。

特に、ALTは肝臓だけが、専門に出す物質と言われていますので、

これが上がっていると、肝臓の細胞が壊されていることを表します。

超音波検査で脂肪肝と言われた人で、特に注意が必要な人は、このAST・ALT(特にALT)が上がっている人なのです。

肝臓の細胞に脂肪が溜まって、細胞が壊されていることを意味するからです。

細胞が壊されることを、医学用語で壊死(えし)と言います。

細胞が死ぬ状態です。

AST・ALTは細胞が壊れて、細胞から漏れ出してきた物質なのです。(細胞が壊れて、細胞の中にあったAST・ALTが外に漏れ出すと必然的に、血の中の数値が上がるのです。)

脂肪が貯まると言うと怖くありませんが、細胞が壊死していると聞くと、ちょっと怖くなってしましますね。

超音波で、肝臓が白っぽく見える(脂肪肝が疑われます)方で、採血でもこのような異常がある人は、

『肝障害』があると言えます。

肝障害、こうなれば病気といえます。

肝臓の細胞死が続くと、肝臓の細胞が減っていき肝不全、肝硬変となったり、その途中で悪い細胞が出てきて肝癌になる可能性があるからです。

たかが、脂肪肝と侮るなかれです。

③肝障害が起こる原因

原因として、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足と言われれば、皆さんは、いまさら、やっぱりと思われるでしょう。

ここでは、少し視点を変えて、肝臓の細胞の目線・肝臓の気持ちになって、説明していきましょう。

肝臓の細胞は、私たちと同じく日中に働き、夜間は寝ています。

寝ると言うと、少し語弊があるかもしれませんが、
私たちが眠っている間、肝臓の血流も増えるので(体を動かさないので、相対的に肝臓に行く血流が増えます)

肝臓細胞にとっては、豊富な血流を使って細胞のキズを修復したり、良い状態に戻す時間なのです。

つまり仕事を止めて、休む時間なのです。

でも、お酒を飲んだり、カロリーの高い食事は、普通は晩に多くなりがちです。

それも、夜遅くまでアルコールを多く飲んだり、深夜に締めのラーメンなどを食べると

アルコールを分解する仕事、カロリーを処理する仕事で、肝臓の細胞は徹夜の作業を強いられます。

アルコール20ml(ビール 500ml)を処理するのに、肝臓は6時間を働く必要があると言われています。

日中頑張って働いた肝臓は、、夜には眠りたいのに、
夜遅くまで、お酒を飲むと、『これ明日までに仕上げてね、徹夜で頑張ってね。』と、残業を押し付けられるイメージです。

さらに、眠る前にカロリーが高い食事を摂った場合、寝ている間って体はあまりカロリーを使いませんよね。

そうすると余ったカロリーの行き着く先は、カロリーを脂肪に変えて肝臓が蓄えるしかないのです。

肝臓の細胞は、夜間に働かないといけないし、脂肪という荷物を背負わされることになるのです。

これでは肝臓は、休む暇がありません。

では、運動不足はどうでしょう。

ここでは運動不足、特に筋肉量の低下についてお話します。

筋肉は、第二の肝臓と言われ、体内でできた老廃物を処理する際や、栄養をエネルギーに変える際に、肝臓と一緒に働いてくれる同僚です。

筋肉が少ないと、同僚がいない、同僚が働いてくれない職場と同じです。

肝臓にばかり負担がかかりますね。

ですから、筋肉量が少ない人、痩せ型の人も要注意なのです。

ぽっちゃりしている人がなる病気というイメージは、間違いなのです。

④どうやって肝臓の負担を減らすか

原因を考えれば、治療がわかります。

まず、アルコールを減らしましょう。

休肝日を週2日は作りましょう。

休肝日、まさしく肝臓にとって仕事のない休日です。

カロリーを抑えましょう。

脂肪や炭水化物が多い食事から、野菜を積極的に摂る食事を心がけましょう。

特に食事の色どりに注意してください。

脂肪や炭水化物の多い、高カロリーの食事は、全体的に茶色の食事になりがちです。

唐揚げ、フライなどです。

一緒に、緑、黄色、赤の食材を摂るようにしましょう。

ブロッコリー、パブリカ、トマトなどです。

食事は美味しいだけでなく色どりが豊かかどうかも、気にするようにしましょう。

睡眠時間を確保しましょう。

体を横にしている時に、肝臓の血流が増え、肝臓が休むことができます。

寝る前に食べたり飲んだりせず、十分な睡眠をとることが大事です。

そして筋トレをしましょう。

特に、体の中で大きな筋肉である、太ももの筋肉や背中の筋肉を鍛えましょう。

本日は、脂肪肝が肝障害を引き起こし、

体調不良の原因になるというお話と、その原因対処法をお知らせしました。

例え、脂肪肝と言われても、ALTが高いと言われても生活習慣の改善や定期的ば採血検査によって、うまく治療できる可能性が高いです。

ALT が高い、脂肪肝と言われた方はご相談頂ければ、一緒び解決策を考えていきましょう。

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