いま感染が増えているリンゴ病についてお話ししましょう。
昨日のNHKニュースでも取り上げていました。
例年にない患者数で流行中です。
まず、
⚫︎リンゴ病とは
リンゴ病は、ウイルスによって人から人へと、うつる病気です。
頬が赤くなる症状が特徴的で、その見た目がまるでリンゴのように見えるため、リンゴ病と呼ばれています。
主に幼児、児童がかかる病気ですが、大人もかかります。
ほとんどが特に治療をしなくても1から2週間で自然に頬の赤みはよくなります。
予防接種はありません。
うがい手洗いなどの感染予防が重要です。
それでは詳しく解説します。
⚫︎原因
ヒトパルボウイルスB19 というウイルスが原因でおこる、ウイルス感染症です。
感染した人から、主に 飛沫感染(くしゃみや咳)や 接触感染 (ウイルスが付着したものを触り、口や鼻に入る)によってうつります。
⚫︎かかりやすい年齢層
子ども(幼児期 学童期) に多く見られますが、大人もかかることがあります。
妊婦さんがかかると特に要注意です。
⚫︎主な症状
まず、子供の場合は、微熱・だるさ・風邪のような症状で発症します。
熱があっても軽度で、あまり高熱は出ません。
全身の状態は悪くありません。あまりぐったりという感じではありません。
その後1週間くらいして、両方の頬がりんごのように赤くなります。
腕や足などにもレース状の網の目のような赤い発疹が出ることもあります。
皮膚の症状は1から2週間で消えます。
大人がかかると、皮疹の後に関節炎がでます。
たとえば両手、足首、膝などの痛みが出ることがあります。
関節炎は場合により数ヶ月続く場合があります。
⚫︎診断方法
風邪の症状の後に、特徴的な両頬の赤みが出ることから、リンゴ病を診断します。
特に採血をして、診断するという病気ではありません。
インフルエンザやコロナのように鼻からけんさすることもありません。
⚫︎予防法・治療法
先ほど言いましたように予防接種はありません。
一度かかると、一生に二度とはかからないと言われています。
手洗い・うがいなどの 基本的な感染対策 が予防に効果的です。
特に治療法はなく、かかったら 安静にして自然回復を待つのが基本です。
⚫︎注意する場合
妊婦さんが感染すると、お腹の赤ちゃんに感染し、赤ちゃんが貧血になったり、赤ちゃんの心不全になったりして、流産の原因になります。
特に妊娠初期の妊婦さんは人混みをできるだけ避けましょう。
また、血液疾患がある方(溶血性貧血)が感染すると、極度の貧血になる場合があり、注意が必要です。