ノロウイルスの流行が始まってます
2025.01.28
現在増えていますノロウイルス胃腸炎について。
典型的な症状ですが、
半日〜2日くらいの潜伏期間があり発症します。
ノロウイルスは、まず胃の動きが悪くなるので、急な吐き気と嘔吐(もどすこと)の症状から始ままります。胃の動きが悪くなり、胃から先の腸に食べたものや飲んだもの、胃液が流れないので、胃が張った状態が続きます。そうして吐き気やひどい胃もたれのような状態がおこります。
吐き気がひどくて、顔をしかめて体をじっとできない場合もよくあります。
その後、水のようなシャバシャバの下痢が、遅れて始まります。
普通、ひどい嘔吐は1日〜2日で治ります。ただ吐き気が治っても、お腹がはって、食欲がわかない、ゲップがでるというのは数日続くことがあります。
下痢は少し長引きますが、それでも2日〜3日で治ります。
1週間くらい、水みたいな下痢や軟便(なんべん かろうじて形のあるゆるい便)が続くこともあります。
熱は、37度台、上がっても38度で、インフルエンザのように39、40度ということはあまりないです。
お腹は、それほど痛くはありません。
痛みがあったとしてもトイレで便を出すと、治る程度の軽いものが多いです。
病院で行う検査ですが、
空気の乾燥する今のような冬の季節に、嘔吐と水のような下痢があり、街中でノロウイルス感染が流行っていれば、ノロウイルス感染の可能性は非常に高いと言えます。
ノロウイスルは感染力が強いので、家庭内や施設内で瞬く間に広がります。
そうした場合、全身の状態がそれほど悪くなければ、受診されても検査はしません。
もっとも、ノロウイルスの迅速抗原検査が世の中にはあるのですが、検査することは可能です。ただ、使用する場面は限られています。
例えば、3歳未満、65歳以上、悪性腫瘍のある患者さん、臓器移植後の患者さん、抗がん剤や免疫抑制剤を使っている患者さんなどです。
これらの患者さんでは、保険を使って検査が可能です。
逆にそれ以外の患者さんでは、自費になります。
そういうことで、検査用のキットを置いていないクリニックや病院も多いと思います。
(保険が使える、上で述べた患者さんでも、実際は検査を行わないことも多いです。)
検査キットには、信頼性が100%ではないという問題もあります。
そして、一番大事なことがあります。
それは、ノロウイルスと診断したからと言って、ノロウイルスに特効薬がないことです。
原因がノロウイルスであったと分かることは、意味のあることなのかもしれませんが、インフルエンザのように『インフルエンザです。じゃあタミフルを使いましょう。』という風にはならないのです。
ですから診断する意味がどこまであるかは、医学の世界で議論されています。
実際、ノロウイルス以外の非常に多くのウイルスでも胃腸炎は起こります。胃腸炎である以上、ノロウイルスであろうとなかろうと、治療は同じ場合がほとんどなのです。さらに、流行時期なら、ノロウイルスの可能性が高いとして、治療するというのが現在の医療です。
治療です。
上で少し触れましたが、特効薬がありません。
そして、ノロウイルスによる胃腸炎は、ほとんどの患者さんにとって、一番しんどい時期を乗り越えられれば、数日で症状が良くなり、重症化する事が少ない病気です。
とは言いましても、症状は大変しんどいものです。
身の置き所がないほど、悶え苦しむ吐き気や、止まらない下痢など、とてもつらい症状です。
このしんどさを和らげるために、対処療法を行います。
対処療法とは、吐き気に対しては吐き気止め、下痢には整腸剤、発熱には解熱剤と言うふうに、個別の症状に対して、症状を和らげる個別の薬を使うことです。
脱水があれいば、点滴も行います。
吐き気止めを入れた点滴を行えば、体はずいぶん楽になります。
診察室で、あまりにも脱水があったり、吐き気で悶絶している場合は、点滴をして、症状を落ち着けて、飲み薬を処方して自宅で安静にしてもらいます。
下痢止めは現在の医学界では使わないことになっています。
水分は、スポーツ飲料を飲んでもらいます。
糖尿病があれば血糖が極度に上がる場合がありますが、そうでなければポカリなどをまさしく『チビチビ』飲むことをお勧めします。
一気に飲むと吐きますので、まさしくチビチビ飲むのをお勧めします。ちなみに抗生剤は効かないのですし、抗生剤を飲むことで下痢を悪化させる可能性があり、お出ししません。